研究生募集

本研究室では、学内・学外を問わず環境経済学の分野での研究者を目指す学生を募集しています。正規の大学院やポスドク・プログラムに参加していただくのではなく、研究室の仕事を手伝いながら、研究の手法、一流の論文の書き方を学んで頂きます。

応募条件:大学院経済学研究科の修士課程(博士課程前期)の必修科目(ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学)を終了していること。現在、東京都内ないし近郊の大学の大学院に在籍しており、本研究室での研究・仕事を通じて、自身の修士論文ないし博士論文を完成させる意図を持っていることが望ましい。理論系、実証系を問わないが、理論と実証の両方の重要性を理解し、応用経済学的なアプローチを社会に役立つ環境経済学分野の研究に生かせる人材になる事を目標としていること(下記の「良い研究とは」参照)。

募集人数:毎年1~2名。

待遇:研究室、PC、PCソフトの使用。必要と条件に応じて時間給を支給。

連絡先:興味のある学生は、興味の分野と略歴をy-konishi [at] sophia.ac.jpまで送付してください。

良い研究とは

一般に、良い研究は以下の三つの条件を備えています(私の個人的意見では無く、トップの研究者の共通認識です)。

1.汎用性の高い新しい知見

2.学術的及び政策的に重要な知見

3.科学的根拠(理論・実証)に基づく正しい知見

これらの条件から、良い研究とは社会的貢献度の高い研究と言い換えることも出来るかも知れません。基本的に、これら三つの要件を満たしている研究は、AER、Econometrica、JPEなどのA+ランクのトップの一般誌(General-interest Journal)にほぼ間違いなく受理されます。逆に言えば、トップの学術誌に受理されない論文は、上記のいずれかの要件を満たしていないという事になります。例えば、Economics Letters, Empirical Economics, Economic InquiryなどのB+~A-ランクの学術誌に掲載される場合には、3の要件は満たしているけれども、1と2の要件を満たしていないというケースが多く見られます。また、トップの一般誌では無く、専門分野の学術誌(Field Journal)に掲載される場合には、1の「汎用性の高さ」で評価が下がる為、専門誌に掲載される事になります。例えば、マーケティング分野の専門誌にJournal of Marketingが有りますが、マーケティング分野での新しい知見であるけれどもマーケティングの専門家でない経済学者にも有用な知見を提供するような研究は、トップの一般誌に掲載される可能性が高くなりますが、より狭くマーケティング分野の専門家にとって有益な知見の場合には、Journal of Marketingに掲載される可能性の方が高くなります。今日の経済学は、ここ二十年ほどでかなり専門化が進みましたので、労働経済学、金融経済学、医療経済学、開発経済学、環境経済学など、経済学の各分野での専門の学術誌が存在し、各分野のトップの専門誌は基本的にAランクと評価されます。さらに、一般誌か専門誌かに関わらずランキングの低い学術誌は、そもそも3の要件を満たさない正確性に欠ける知見が掲載される可能性も高くなります。例えば、実証研究において仮説をデータで検証する作業を行う際には、膨大な労力と計量経済学のスキルが不可欠となり、変数の内生性の問題を丁寧に対処していく必要があるのですが、トップの学術誌でない場合には、多少お茶をにごす形で万全の保障が無くても掲載される可能性が高くなります。

目標とする学術誌

研究とは単に面白いからやるものでは無く、社会に役立つ為にするものだと私は信じています。社会に役立つ研究である為には、単に自分が面白い・正しいと思うだけでなく、専門家・学術誌の査読者を通して、上述の1~3の尺度から社会的貢献度が高いと判断される必要があると思っています。私の研究室は環境経済学を専門としていますから、環境経済学におけるトップの専門誌を目指して頂きます。以前は、Journal of Environmental Economics and Management (JEEM)がトップでしたが、2014年からJEEMがアメリカ環境資源経済学会の正規の学術誌で無くなり、Journal of the Association of Environmental and Resource Economists(JAERE)が代わりにトップの学術誌となりました。そこで、まずはJAERE、次にJEEMを目指して研究をして頂くことになります。また、他の一般誌と差別化する形で出来たAmerican Economic Journal(AEJ)も魅力的なOutletです。これらの学術誌は、欧米のトップの大学でも、Aランクとして評価されますので、欧米の研究者にも良い研究として認識されます。

その下の学術誌としては、American Journal of Agricultural Economics, Land Economics, Water Resources Research, Resource and Energy Economics, Environmental and Resource Economics, Energy Economics, Energy Journal, Ecological Economics, Environment and Development Economics などが有ります。残念ながら、経済学者の間では、JAERE、 JEEM、AEJ ほど高い評価は得られませんが、環境経済学者には十分認知されている学術誌ですし、たとえ日本でトップの大学・大学院を卒業していても、指導教授の助け無しにこれらの学術誌に掲載できるレベルまでもっていくのはそれほど容易では有りません。

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